先日のイベントで、Appleは教育市場に向けた新製品・新サービスを発表しました。
ポイントは3つ。
その1『iBooks 2 for iPad』
電子書籍の購入および閲覧を行うiOSアプリの新バージョン。
新たに、iPad用にデザインされた「マルチタッチ対応のテキストブック」=「動画や3Dオブジェクト、写真、図版を埋め込んだインタラクティブな電子教科書」を購読できるようになりました。
更に、選択範囲を蛍光ペンのようにハイライト表示したり、重要な語句や内容を学習カードにまとめる機能やメモ機能が追加され、「読書アプリ」だった『iBooks』は「学習アプリ」に生まれ変わりました。
また、iBooks Storeには新たに「テキストブック」のカテゴリが追加され、大手教科書出版社が紙で刊行しているタイトルの約90%が電子教科書として並ぶそうです。もちろん、アメリカでのお話ですが・・・・。
その2『iBooks Author』
こちらは、Mac OSX用のアプリ。
用意されたテンプレートにドラッグ&ドロップするだけで簡単に電子書籍を作ることができ、それをiBooks Storeに公開することも可能です。
その3『iTunes U』
これまでiTunesのコンテンツの1つとして提供されてきたiTunes Uを単独アプリに。
これによって、いつでもどこでも世界中の大学の無料講座を受講したり、スタンフォード、エール、MIT、オックスフォード、カリフォルニア大学、ニューヨーク公共図書館、アメリカ議会図書館など、26カ国の教育機関や文化機関のコレクションをブラウズできます。
また、このアプリを通じて教師がストリーミングや課題の配信を行ったり、生徒自身がiBooksで取ったメモやハイライトしたテキストを一覧表示して復習することも可能になるようです。
いやぁ、またまたAppleがやってくれました!
アメリカの市場も大きく反応しましたね。
この発表の後、Appleの株価は上がり続けているし、実際、3日間で35万冊の電子教科書と9万本の『iBooks Author』がダウンロードされたそうです。
iPadが発表されて2年がたちますが、iPadで読める所謂「電子書籍」は「紙の本」を単にデジタル化したものに過ぎず、「本物のデジタル本」は未だに登場していません。
「本物のデジタル本」とは、「文字情報」にとどまらず、「音声」や「画像」「動画」をフレキシブルに融合し、「本の形態(構造)」を根本から作り直したものです。
ジョブズは生前(iPhoneで電話を再発明したように)「教科書を再発明したい」と言っていたそうですから、もしかしたら、このイベントでそんな「次世代の本」を目にすることができるかもしれません。
今回、Appleはボクの期待通りに「本物のデジタル本」のカタチを示してくれました。
それだけにとどまらず、「本物のデジタル本」を作るソフトと、それを活用できるアプリまで用意して、最高のお膳立てをしてくれました。
この「新しい本のカタチ」が教科書として普及・定着すれば、教育の現場は一変することでしょう。
問題は、この「新しい波」を教育現場が受け入れられるかどうか、です。
日本の教育現場は、教師や行政、それを取り巻く「識者と呼ばれる人々」も含めて非常に保守的です。
更に言えば、財政難にかこつけて行政は教育にカネをかけることを潔しとしません。
果たしてそんな状況下で「新しいカタチの電子教科書」とその媒体である情報端末(iPad)が普及するのかどうか・・・・甚だ懐疑的にならざるを得ません。
国が補助金を出して全国的な教育改革をやらないと無理だろうなぁ。
でも、いまの政府にはまったく期待できないし(苦笑)
うーむ。
結局、日本は教育においてもガラパゴス化していくのではないでしょうか。